元葬儀屋が暇なときに書く葬儀とか終活のブログ

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お墓の知識と子供が抱えるお墓の悩み

こんにちは。

 

今回はお墓の種類や平均的な価格や、お墓の種類などの基本知識から

お墓の種類別メリット・デメリットなどのお墓選びの参考にできる知識などまとめました。

 

どんなお墓でも必ずメリット・デメリットはあります。

今のお墓の悩みと、将来的に発生する可能性のある悩みをすりあわせてお墓選びをしましょう。参考にしていただければありがたいです。

 

 

では、自分のため子供のために今できることはないか考えてみましょう。

 

最近のお墓事情

「寿陵」

最近、先祖代々のお墓だけでなく、生前にご自身のお墓を準備する寿陵」への関心が高まりを見せています。

 

寿陵は昔から“健康で長生きをする”という願いを込めて行われており、縁起が良い事とされています。

 

 

 「お墓の引越し(改葬)」

近年、故郷のお墓をお住まいの近くに移す「お墓の引越し(改葬)」が急増しています。

 

団塊の世代の方々からたくさんのご相談がよせられているそうです。

 

団塊の世代の方々からの相談内容としては、実家のお墓が遠く墓参りに行くことができないといった内容が多く、

次点でお墓の継承者がいないという理由だそうです。

 

 

 「お墓のリフォーム」

お墓はご先祖様への敬愛と報恩のあかし。お墓をいつまでも美しく保つためには

 

「家のリフォーム」と同様に「お墓のリフォーム」が必要です。

 

今のような石材加工の技術が発達する以前に造られたお墓は風雨による浸食、

石欠け、汚れ等によって原型が保たれない場合が増えてきています。

 

特に戦前に造られた「都立霊園のお墓」は植栽がブームであったため、

樹木を植えている墓所が多く、時が経つとともにその植栽された樹木の根が育ち、

骨壷を納めている「納骨棺」やお墓の周りを囲っている「外柵」を痛めています。

 

実際にぼろぼろのお墓を目にしたことがある人は多いと思います。

 

お墓は大体の場合、色々な人の墓石と並んで建っていることが多く、管理が行き届いていないと、その区画の中で変に悪目立ちしてしまったり、雑草や木が伸びて近隣のお墓に迷惑がかかってくる可能性も十分にあります。

 

墓石といっても、やはり耐用年数がありますので早めの建て替えや、修復を検討した方が無難です。

 

 

「お墓」について

 お墓の種類

・一般墓

主に4タイプに分かれる (外墓地)

①公営霊園  ②民間霊園  ③寺院墓地  ④共同墓地

 

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最近の民間霊園はロケーションが良く、管理の行き届いた綺麗で開放的な公園のような霊園も多くあります。

 

・室内墓・納骨堂

可動式・ロッカー式・棚式など

 

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ロッカー式の納骨堂です。1つの空間に沢山のご遺骨を安置することができるので、多くの宗教法人が参入してきています。

 

・永代供養墓

ロッカー式・棚式・合葬式など

 

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永代供養墓です。このような慰霊碑タイプのものも最近増えています。手前には焼香台や献花台があります。

 

樹木葬

シンボルツリー・個別の樹木など

 

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樹木葬です。木の周りの空間に1体ずつ収蔵されています。

 

・海洋葬

代表的な散骨の方法

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海洋散骨のイメージです。代行や乗合い、チャーターなどのプランが各社用意されています。


 

 

 

・手元供養

仏壇内など自宅に安置

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手元供養のイメージです。実際に散骨後このような形で安置している方を目にしたことがあります。


 

 

①公営霊園【一般墓】

自治体が運営する霊園で応募には資格があります。

応募時期が決まっていることが多く、応募数が多い場合は抽選となります。

 

例:都立霊園の場合

 

応募資格:ご遺骨がある方、都内に5年以上居住している等、

様々な申込条件があります。

 

毎年7月初旬に応募の受付があります。

例年5~7倍の高倍率となり、今年度も多くの申し込みがありました。

 

令和元年度募集霊園

多磨霊園・八王子霊園・小平霊園・青山霊園谷中霊園・八柱霊園・染井霊園

(雑司ヶ谷霊園は現在募集がされていません)

 

 

 

②民間霊園【一般墓】 

公営霊園と違い、年間を通して購入が可能です。

お申し込みの資格は無く、 多くの霊園が宗教自由で、環境や施設が大変充実しております。

中には、ペットと一緒に眠れる霊園もあります。

 

 

また、民間霊園はお墓の形式も様々です。

 

◆ゆとり墓地

◆テラス墓地

ガーデニング墓地

◆芝生墓地等

 

美しい公園のような霊園が各地にどんどん増えている中で、区画の名称としてこのような言葉が使われるようになってきています。

 

お墓探しのジャンル分けとしても使われているので、覚えておくとネットで墓探しをする際に使えるかもしれません。

 

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ゆとり墓地です。狭い区画でも隣と少し隙間があることが特徴です。

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テラス墓地です。高い座面に墓石を設置するので、かがむことなくお参りができます。

 

 

 

③寺院墓地【一般墓】

寺院が運営している墓地で、その寺院の檀家になることが条件と なります。

 

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寺院墓地です。由緒ある土地であることが多く土地代は地域内でも高いことが比較的多いです。。



 

寺院とのお付き合いを気にする方もおりますが、

寺院墓地は交通が便利な都心部に多く、 本山墓所など由緒ある寺院は、いまだに根強い人気があります。

 

 

 

④共同墓地[一般墓】

市町村よりさらに限定的な地域で管理、運営されている墓地です。 その地域に住む方のみが申込むことができます。

 

 

 

納骨堂(室内墓)

納骨堂は以前は遺骨を一時的に預かる施設でしたが、

最近では、永代に渡り遺骨を安置する場所に変わり、室内墓とも呼ばれております。

室内墓には、納骨棺可動式、 ロッカー式、棚式等、様々な様式があります。

中には、従来の墓石そのものが室内にある墓地もあります。

ロッカー式や棚式の場合、一定期間後は合祀されるところが多いです。

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室内墓です。〇〇御廟とか名づけられていることが多いです。墓の中心の〇〇家というプレートが切り替わる仕組みです。



 


永代供養墓

寺院や霊園が永代に渡り供養や管理をして行き、跡継ぎのことで心配のある方でも安心してお求めになれるお墓です。

以前は、主に寺院で受付をしておりましたが、最近では民間の霊 園でも見られるようになりました。

初めから合祀されるところが多いですが、一定期間ロッカーや棚で安置した後に合祀するところもあります。

 

 

 

樹木葬

埋蔵区域の中心に樹木を植え、その周りに埋蔵をするタイプや、個別に樹木を植えてその前に 埋蔵するタイプもあります。

一般的に埋蔵の際は、遺骨はパウダー状にします。

 

 

 

 

海洋葬(海洋散骨) 

遺骨をパウダー状にして海にまく海洋葬は、散骨の代名詞。

遺骨は全部を撒かずに一部を残しておく方も多く、

残した遺骨は一般のお墓に納骨したり、手元に残して供養します。 

 

 

手元供養

当初はご遺骨の一部をペンダントなどに納め手元で供養をすることを意味してましたが、

最近ではご遺骨をお墓に納めず、仏壇の中など自宅で安置することも手元供養と呼んでます。

 

 

 

お墓の簡易費用比較 (参考価格)

一般墓

約70万円から (土地代+墓石工事代)

 

 

室内墓・納骨堂

約30万円から約200万円 (様式、期限等によりかなりの幅がある) 

 

 

永代供養墓

約5万円から約100万円 (ご遺骨1体につき

 

 

散骨(海洋葬・樹木葬も含む)

約6万円から約100万円 

 

 

手元供養

0円から

 

 

 

タイプ別 お墓のメリットとデメリット

ここではお墓の種類の項目で紹介した様々なお墓のタイプ別に

メリット・デメリットをあげていきます。

 

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一般墓(外墓地)

メリット

 

・家族そろってゆっくりとお参りができる

 

・場所、石種、彫刻など、自由に選ぶことができ、自分達の想いを込めたお墓ができる 

 

・身近な人がここに眠り、見守ってくれているという安心感

 

デメリット

 

・石碑を建てる費用が高額になる場合がある

 

・郊外にあることが多い

 

・基本的に跡継ぎが必要

 

・お墓の掃除が必要

 

・天気が悪いとお参りに行けない

 

 

 

納骨堂・室内墓

メリット

 

・石碑がないため費用負担が少ない

 

都心部にあり好アクセス

 

・永代供養を申し込めるところが多い

 

・お墓の掃除がいらない 

 

悪天候でもお参りができる

 

デメリット

 

・参拝所で順番でお参りをするタイプが多いため、ゆっくりとお参りができない。 

 

・「自分達のお墓」という感覚が得にくい 

 

・生花や線香を上げられないところもある 

 

・機械式の場合、遺骨が常に動き安置されない 

 

・建物の耐久性とメンテナンスが不透明

 

 

 

永代供養墓

メリット

 

・跡継ぎの心配が無い 

 

・常に供養してもらえる安心感 

 

・費用負担が少ない

 

・管理料がかからないところが多い

 

デメリット

 

・ご遺骨1体ごとに供養料が掛るため、ご遺骨が多いとトータルでの費用が高額になる

 

・合祀されると改葬ができない

 

・合祀されると他の遺骨と分別できない 

 

・手を合わす対象が分かりにくい

 

 

 

樹木葬・散骨

メリット

 

・自分らしさを表現できる 

 

・自然に還ることができる 

 

・費用負担が少ない

 

・跡継ぎの心配が無い

 

デメリット

 

・手を合わす対象が曖昧 

 

・遺骨がどこにあるのか分からない 

 

・家族、親戚の理解が得られにくい

 

 

 

手元供養

メリット

 

・費用負担が極めて少ない 

 

・近くで見守られている安心感

 

デメリット

 

・いつまでも置いておくわけにいかない 

 

・家族、親戚だけでなく、世間からも理解が 得られにくい

 

 

 

お墓選びのポイント

お墓に精神的なやすらぎや安心感を求める

→従来の一般墓(外墓地)

 

実用的で利便性を求める

→室内墓や永代供養墓等

 

 

 

お墓のことで子供が迷惑なのはどんな時?

お墓のことはじっくり考えていたつもりだけど、次の代が継ぐころには事情が少し変わっているかもしれません。

 

お墓の「改葬」「リフォーム」のことで実際に相談を受ける際に耳にする悩みはこんなことです。

 

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維持の難しい代々続くお墓を残された時 

遠くて行くのが大変、広くて維持が大変、寺院との付き合いが大変、会ったことのない親族が眠っているなど

 

 →今のうちにお墓の引っ越し「改葬」をする

 

 

 

補修が必要なお墓を残された時 

墓石が傾いている、目地が壊れている、植木が伸びて見栄えも悪く近隣の墓所にも迷惑など 

 

→今のうちにお墓の「リフォーム工事」をする

 

 

 

ご不幸が起きてしまった際にお墓が無い時 

ご不幸があると葬儀や様々な手続きに追われ、お墓を探す時間と精神的な余裕が無い 

 

→お墓のタイプだけでもいいので、今のうちに自分達に一番合ったお墓を定めておく

 

 

 

希望と違うお墓を残された時

檀家墓地だった、個別にお参りができないお墓だった、他の人と一緒に合祀された、跡取りが必要なお墓など 

 

→お墓を定める時は、必ず子供に相談をする

 

 

 

子供は親の入るお墓を迷惑と思うことはありません。

 

今やれることをやっておいてくれれば十分です。

 

霊園のスタッフや墓石店など墓地・墓石を販売するスタッフに実際に相談することで悩みは必ず解決に向かっていきます。

 

分からないことがあればそのままにせず、プロに直接相談することが一番の近道です。

 

今回はお墓の種類や簡単な費用例、メリットとデメリットについてお話ししましたが、その中で「改葬」という言葉を多く使うことがありました。

 

実際に「改葬」「墓じまい」の需要は増えてきていますので、次回は「改葬」についての記事を更新します。

 

墓じまいは難しい事ではないということをお伝えできればと思っております。