こんにちは。
今回は前回の
で所々触れた、「改葬」についてお話しします。
昨今増加している「改葬」は「墓じまい」とも呼ばれていて、家族葬と同じように終活のワードとしてはメジャーなものになりつつあります。
そんな「墓じまい」を分かりやすく、
また私自身、身内の墓じまいを考えていることもあり、これから墓じまいを始めようと考えている方の参考になるよう、墓じまい完了までの流れをまとめてみました。
改葬とは
既に埋蔵、埋葬されている遺骨を取り出し、別の墓地に移す事を言います。
遺骨を引き上げた後の古いお墓は、解体し更地に戻すことから、
最近では「墓じまい」とも呼ばれています。
改葬を行うには、改葬元となる現墓地が所在する市町村役場に改葬の申請をし、
『改葬許可証』の交付を受ける必要があります。
『改葬許可証』が無いと、現墓地からの出骨や、新たな墓地に納骨する事はできません。
墓じまいするのにも様々な手続きがあります。
しっかりと順番にこなしていくことで、誰でもスムーズに進めていくことができます。
それはまた後程紹介するとして、
改葬する主な理由
みなさんどんな理由で墓じまいをしたいと考えているのでしょうか。
知り合いの石屋さんから特に多い相談内容5つを聞いてみました。
1.お墓が遠くて行くのが不便・面倒
墓が遠くて自分が高齢になったら行ける自信がない。
残される世代に不便をかけたくない...など
2.故郷のお墓を守る人・継ぐ人がいない
後継ぎがいないので、放置状態になる前に対策しておきたい。
3.複数のお墓を一緒にしたい
片方のお墓が極端に遠かったり、継ぐ人や管理していく人がいない。
単純に今のお墓から出してあげたい。
4.実家のお墓に仮納骨していたお骨を移したい
一時的に安置していたが、お墓が決まったので移したい。
5.今のお寺から出なくてはならない
菩提寺が廃業してしまう。
主な墓じまいの理由はこんな感じ。
みんなお墓に関して抱えている悩みは同じようなことなんですね。
ほとんどの場合は残される世代に迷惑をかけたくないという親心からの墓じまいですが、子供も「こんな墓残されても困る!」と墓じまいを考えていることもあります。
私は「こんな墓残さないでくれよ...」と親に対して思っているのですが(笑)
一度しっかりと意見を交換した方がいいですね。
少し離れたところにお墓があり、長男(母の兄)は未だにとんでもない不良息子ときたもんですからね。
もう絶縁状態ではあるのですが、祭祀財産ですから少し面倒です。
祖母(ボケ気味)に遺言を書かせるか、さっさと改葬して我が家の方へ連れてくるか迷いどころです。
まあ、そのうちブログのネタにでもできる時が来ることでしょう!
とにかくお互いの気持ちを一緒にしてから墓じまいは行うことがとても重要ですね。
後継ぎがいない場合は、自分が元気なうちに対策しましょう。
つぎは大事な、「流れ」についてです。
改葬の流れ
この順番で行うのがおすすめです。
1.現墓地関係者(親戚・寺院)への打診
かかわりの深い親族・親戚と話し合うことはもちろんですが、今遺骨が入っている墓地の管理者への打診も必要です。
「墓じまい」ということを考えているのであれば、はっきりとした理由をお持ちでしょうから、しっかり双方に伝えましょう。
墓の管理者側に関しては、拒否権はありませんから、理由を申し上げればわかってくれるはずです。
2.新規墓地の下見、相談、決定
墓じまいすると決めたら、1と同時進行でもいいので、いくつか候補をあげながら実際に下見をし、霊園スタッフや管理者に相談してみましょう。
その霊園ごとの雰囲気がつかめます。
お墓のような長期間利用するサービスをネットだけで決めるのは危険です。
管理料が高いところは高いなりの理由がありますし、時々すごく横暴な態度の管理者もいますから、実際に足を運んで自分なりに比較検討して決めていきましょう。
そして何より「墓は近い方がいい」です。
3.【改葬許可証】の発行を受ける
詳しくは次項で説明していきます。
4.「遺骨の引き上げ」、「墓所解体工事」の見積等を依頼
基本的にはその墓石を建てた業者に依頼することが多いです。
また、年月が経っている場合は石屋さんも変わっているかもしれませんので、その霊園の出入りの業者を教えてもらって、見積もりを依頼し日程調整していきましょう。
5.現墓地より遺骨の引き上げ後、墓所の解体工事
立会いのもと、墓石の解体工事を行います。
6.遺骨の移送 (納骨まで一時自宅安置、又は新規墓地に預けます)
次の墓所はこの段階では決まっていることが前提ですが、解体工事から新規墓地への遺骨の移動がスムーズに行えるように段取りします。
7.新規墓地に納骨(お魂入れ)
お付き合いのある宗教者(お寺・神社・教会)などがあれば必ずお呼びしましょう。
墓前で宗旨に沿った儀式を行い、納骨をします。
一般的な改葬の流れ早見表
※新規墓地の墓石工事は、墓地決定から完成まで最短でも約2カ月の期間を要します。
改葬のスケジュールを決める際は、新しいお墓に納骨する時期を決め、そこから墓石工事の期間を考慮して逆算していくと、スケジュールが組みやすくなります。
また、現墓地の墓石を新規墓地に移動させるパターンもあると思います。
このパターンは、新規墓地の区画の関係や規定でNGの場合も多くありますので事前確認が必要です。
可能な場合はできるだけ早く出骨し、新規墓地と墓石の移送と工事日程を相談し、納骨日を調整してください。
改葬許可取得の流れ
それでは、改葬をするためにどのような手続きをしていけばいいのか
順序立てて説明していきます。
1.『移転先墓地の証明書』として、移転先となる墓地から発行される
墓地使用承諾(許可)証、または受入証明書を用意します。
2.上記の『移転先墓地の証明書』と
現墓地の埋蔵証明を受けた『改葬許可申請書』を
現墓地の所在する市町村役場に提出し【改葬許可証】の発行を受けます。
移転先の墓地からの 墓地使用承諾(許可)証 or 受入証明書
+
現墓地から埋蔵証明を受けた 改葬許可申請書 を揃えて
現墓地の所在する市町村役場に提出
※改葬許可申請書はダウンロードできる役所もありますのでチェックしてみてください
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各自治体より 改葬許可証 が発行されます。
書類の自治体がバラバラですみません。
改葬許可証に関しては、通常即日発行されますが、自治体により発行までに時間を要する所もあります。
また、郵送により発行可能な自治体もあります。
お墓が遠い場合は何度も足を運ぶことも難しいかもしれませんから、改葬の際に利用する自治体に確認してみましょう。
ご注意!
※改葬には市区町村役場から発行される【改葬許可証】が必要です!
※市町村役場以外が発行した「証明書」では改葬できません!
この後、改葬許可証が必要になる場面
①現墓地管理者に【改葬許可証】を提示して遺骨を引き上げます。
このとき提示した改葬許可証は、必ず返却してもらいます。
遺骨を引き上げたことに満足して、忘れていってしまう方がいます。注意しましょう。
②新規墓地管理者に【改葬許可証】を提出して納骨します。
※新規墓地の所在する市町村役場への届出は必要ありません。
基本的に改葬許可証を使う場面はこの2つです。
「遺骨を出すとき」と、「安置するとき」です。
後は、説明した流れに沿って進めていけば大丈夫です。
その他よくあるお墓の悩み
・いつお墓を求めればいいの?
→特に決まりはありません。ご不幸があった方の場合は、1周忌法要を目途に求める方が多いです。
・寺院との付き合い方は?
→宗教自由の霊園の場合は、特にお付き合いの必要はありません。
寺院墓地の場合は檀家となり、仏事の一切は全てその寺院に頼みます。
・お墓の補修はだれに頼めばいいの?
→霊園や寺院から指定された石材店に頼みます。公営霊園や石材店に指定の無い寺院の場合は どこの石材店に依頼しても大丈夫です。
・宗派が違う遺骨は納骨できない?
→宗教自由の霊園では問題はありませんが、寺院墓地の場合は断られることもあります。
・生前にお墓を準備するのは縁起が悪い?
→全く問題はありません。むしろ縁起の良い方です。
・お墓の跡継ぎは必ず長男でないといけない? 娘では継げない?
→お墓の後継ぎは男女の別や兄弟の順番を問わず、お子様でしたら誰でも継ぐことができます。 結婚して姓が変わっても継ぐことができます。
このような悩みを抱えている人が大半だそうです。
何事も聞くことが大切ですね。
私も葬儀のことばかりでお墓の知識は全くなかったですから、石屋さんに質問しまくってこれを書いています(笑)
今回は改葬に関してご説明しました。
お墓に関しては、葬儀と同じように学ばなければ知識として持っていなくて当たり前のことなので、わからないことは恥ずかしがらずに質問、相談してみてください。
お墓のことは慎重かつスピーディーに事を進めていくことが大切です。
次回はお墓や改葬にかかる費用についても触れていきたいと思います。
最後までお読みいただき有難うございます!